
当社の乗務員である関谷ドライバーが、深夜の道路上で発生した危険な状況において適切な人命救助を行い、その功績が認められ本所警察署より表彰を受けました!
タクシー事業者にとって、お客様を目的地まで安全にお送りすることは最大の使命です。
しかし、私たちが守るべき「安全」は、車内のお客様だけにとどまりません。
日々ハンドルを握り、街を走る者として、地域社会の安全を見守ることもまた、私たちの重要な役割であると考えています。
本日は、関谷ドライバーが遭遇した現場の様子、そして適切な行動をとることができた理由、その背景にある当社の安全への取り組みについて詳しくご紹介させていただきます。
真夜中の右側車線、予期せぬ発見
事案が発生したのは、交通量がまだ多い夜の10時頃のことでした。
場所は片「右側車線(追い越し車線)」。通常、車が最もスピードに乗って走行する場所です。
業務中の関谷ドライバーは、前方に見慣れない異変を感じ取りました。
「何かが道路の真ん中にある」 夜間の視界が悪い中、しっかり確認すると、それは道路に横たわっている人(路上横臥者)でした。
迅速かつ冷静な対応
ハザードランプを点灯させて後続車に危険を知らせつつ、安全を確保した上で停車。すぐさま警察と救急へ通報を行いました。
特筆すべきは、通報して終わりではなく、警察官が到着するまでの間、現場でその方を守り続けた点です。
その後、救急隊と警察官が到着し、無事に引き継ぎを完了。 一歩間違えれば重大な死亡事故につながっていたかもしれない状況で、関谷ドライバーの「発見の早さ」と「迷いのない行動」が、命を救いました。
本所警察署からは、「交通量の多い時間帯の右側車線という極めて危険な状況の中、人命を守るために冷静で適切な対応を行った」点が高く評価され、感謝状が授与される運びとなりました。

本人インタビュー「日頃の習慣が、とっさの判断を生んだ」
表彰式の後、関谷ドライバーに当日の心境と、今回の表彰についての想いを聞きました。
―発見した瞬間の心境はどうでしたか?
関谷: 正直、右側の車線に人がいるとは思わず 、かなり驚きました。
時間は夜の10時頃で、決して交通量が少ない時間帯ではありません。
もし発見が数秒でも遅れていたら、私自身が事故を起こしていたかもしれませんし、他の車が事故を起こしていたかもしれません。
普段から「かもしれない運転」を心がけていたことで発見できたのだと思います。
また、夜間は特にスピードに気を付け、慎重に運転していました。
大事に至る前に対応できて、本当に良かったです。
―今回の表彰について一言お願いします。
関谷: 当たり前のことをしただけなのですが、このような形で警察署から評価していただき、大変ありがたく思っています。
夜間の運転は視界も悪く、特に注意が必要だと常に意識しています。
今回の件を通して、日頃の安全運転の積み重ねがいかに重要であるか、私自身が改めて実感しました。
これからも安全第一でハンドルを握り続けたいと思います。

東京交通新聞にも掲載されました!
社会問題化する「路上横臥(ろじょうおうが)」事故
ここで少し、今回のような「路上横臥者」に関する事故のリスクについて触れておきたいと思います。
「路上横臥」とは、その名の通り、道路上に寝そべったり座り込んだりしている状態を指します。
警視庁のデータ等を見ても、路上横臥者が関係する死亡事故は後を絶たず、特に深夜から明け方にかけての時間帯に多発しています。
ドライバーにとって、路上横臥者は「最も発見が難しい対象」の一つです。
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視認性の悪さ: 立っている歩行者と違い、低い位置にいるためヘッドライトの光が届きにくく、直前まで気づかないことが多い。
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予測の難しさ: 「道路の真ん中に人が寝ている」という状況は、通常の運転心理では想定しづらい。
今回、関谷ドライバーが発見できたのは、単なる偶然ではなく、プロとしての「探索的な視線」があったからです。
漫然と前を見るのではなく、ライトが照らす範囲のわずかな変化も見逃さない集中力が、最悪の事態を防ぎました。
安全運転の取り組みについて
当社では、すべての乗務員が常に高い安全意識を維持できるよう、組織全体で徹底したバックアップ体制を敷いています。
ここでは、プロドライバーを支える当社の「2つの事故対策」と「車両へのこだわり」についてご紹介します。
1. 運行管理者による徹底したデータ指導
当社には、ドライバーの安全を守る「運行管理者」が常駐しています。
運行管理者とは単なる配車やスケジュール管理ではありません。
ドライバーの命、そしてお客様の命を守る「安全の司令塔」です。
具体的には、全車両に搭載されたドライブレコーダーやタコチャートの記録をチェックしています。
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走行距離や休憩時間は適切か?
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法定速度は守られているか?
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「急加速」「急減速」などの危険運転はないか
気になるデータがあれば、運行管理者は即座に該当ドライバーと面談を行い、個別に指導を行います。
細やかなフィードバックがあるからこそ、ドライバーは「自分の運転が見守られている」という適度な緊張感を持ち続けることができ、安全運転の意識が自然と身についていくのです。
2. 自社整備工場による「万全」の担保
プロがその技術を最大限に発揮するためには、車両が完璧な状態でなければなりません。
当社は自社内に専用の整備工場を完備し、専属の整備スタッフが常駐しています。
一般的な車検や定期点検はもちろんのこと、ドライバーが「少しブレーキの効きに違和感がある」「エンジンの音がいつもと違う」と感じれば、即座に整備士が確認し、対応できる体制を整えています。
外部の工場に委託する場合、どうしてもタイムラグが発生したり、細かなニュアンスが伝わりにくいことがありますが、自社整備工場であればすぐに対応が可能です。
3. 最新の安全装備「ジャパンタクシー」の全車導入
トヨタの「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」を全車に導入しています。
この車両には、最新の安全運転支援システムが搭載されています。
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衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者・昼夜): 万が一の際、自動でブレーキを作動させ衝突を回避・軽減します。
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ペダル踏み間違い時加速抑制装置: アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぎます。
もちろん、機械に頼り切ることはありません。
しかし、人間である以上、絶対にミスをしないとは言い切れません。
関谷ドライバーのようなプロの「判断力」に加え、最新の「技術力」による二重三重のセーフティネットを張ることで、限りなく事故ゼロに近い環境を目指しています。
最後に
今回の表彰は、関谷ドライバー個人の栄誉であると同時に、日頃から安全運行に取り組む当社全体にとっても、大変誇らしいニュースでした。
「まさか」の事態は、いつどこで起こるか分かりません。
しかし、その「まさか」が起きたときに、人命を優先し、冷静に行動できるドライバーが私たちの仲間であること。
そして、その行動を支えるだけの日々の教育と環境が当社にあること。
この事実を、私たちは何よりも大切にしていきたいと考えています。
今後も、警察署や地域の皆様と連携しながら、交通事故のない安全・安心な社会の実現に貢献してまいります。
そして、お客様がタクシーにご乗車された瞬間から降車されるその時まで、「このタクシーなら安心だ」と思っていただけるよう、全社員一丸となって業務に邁進いたします。
これからも当社タクシーをご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
2025/12/18投稿